七十二候 – ページ 2 – 二十四節気note

第五十三候 霎時施(こさめときどきふる)【18霜降-次候】10月28日~11月1日

第五十三候 霎時施(こさめときどきふる)【18霜降-次候】10月28日~11月1日

「霎」は小雨のこと。「しぐれ」と読む場合もある。「時雨(しぐれ)」は降ったりやんだりする通り雨のこと。

いまはとて わが身時雨に ふりぬれば 言の葉さへに うつろひにけりー小野小町
(訳:今はもう時雨に降られた木の葉のように私も老いてしまったから、あなたの約束の言葉までも、同じように変わってしまったのですね。)

【旬】

雨:八入の雨(やしおのあめ)
染色のとき、染料に一度だけ浸すことを一入(ひとしお)、何度も浸して濃く染め上げることを八入(やしお)といった。雨が降るたび、樹木が色濃く染まっていく様子を染め物に例えた。

 

実:団栗(どんぐり)
楢(なら)、櫟(くぬぎ)、樫(かし)などの小さな木の実。

 

食:茸(きのこ)

 

第五十二候 霜始降(しもはじめてふる)【18霜降-初候】10月23日~10月27日

第五十二候 霜始降(しもはじめてふる)【18霜降-初候】10月23日~10月27日

霜が初めて降りる時期。俳句では「初霜」は冬の季語。

【旬】

鳥:千鳥
古くから冬の鳥とされている。霜の降るような寒い夜に寂しげに鳴くので「霜夜鳥」という異名も付けられた。

花:吾亦紅(われもこう)
暗い赤紫の、実のような花穂が晩秋の秋の野にひっそりとした明るさを添えている。

植物:芭蕉(バショウ)
バナナそっくりの木、バショウ。ただし実は食べられない。松尾芭蕉の俳号(ペンネーム)の由来もここから。弟子から贈られたバショウの木を庭に植えていたことから。

 

第五十一候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)【17寒露-末候】10月18日~10月22日

第五十一候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)【17寒露-末候】10月18日~10月22日

秋の虫が鳴くころ。昔は「こおろぎ」のことを「きりぎりす」と言った。

【旬】
花:竜胆(りんどう)
「根が竜の肝のように苦い」ということから、この名が付いた。

『枕草子』に「他の花が霜枯れているのに、りんどうは華やかな色合いで咲いて趣がある」と書かれている。

 

虫:秋の虫
鈴虫は「リーンリーン」、松虫は「チンチロリン」、青松虫は「リリリリ」。

 

第五十候 菊花開(きくのはなひらく)【17寒露-次候】10月13日~10月17日

第五十候 菊花開(きくのはなひらく)【17寒露-次候】10月13日~10月17日

菊の花が咲くころ。重陽の節句(九月九日)では、長寿を願い、菊の花を浮かべた酒を飲んだ。菊は薬草として、奈良時代に中国から伝わった。

【旬】
行事:十三夜
中秋の名月は中国から伝わった風習だが、日本では旧暦の九月十三日にもう一度独自の花見をした。完全な満月ではなく、少し欠けた十三夜の月を愛でるところが日本人の感性なのだろうか。

実:栗

野菜:枝豆
まだ熟しきらない大豆を収穫して、食用にするのが枝豆。

魚:はたはた

 

兆し:菊晴れ
菊の花の咲くころに青空が晴れ渡ること。

 

行事:神嘗祭(かんなめさい)
穀豊穣に感謝して、天照大御神に奉る伊勢神宮の祭り。

 

第四十九候 鴻雁来(こうがんきたる)【17寒露-初候】10月8日~10月12日

第四十九候 鴻雁来(こうがんきたる)【17寒露-初候】10月8日~10月12日

雁(かり)が北から渡ってくる季節。「清明」の次候「鴻雁北(こうがんかえる)4月10日~14日」に対する候。

春に北へ帰っていった雁が、ふたたびやってくる。

 

【旬】
風:雁渡し(かりわたし)
雁が海を越えて渡ってくるころに吹く北風を「雁渡し(かりわたし)」という。この風が吹くと、涼しさが増し秋が深まる。

鳥:鴨(かも)
鴨の仲間たちは、「軽鴨」以外はほとんど、秋に日本に渡ってくる冬鳥。

草花:ななかまど

野菜:しめじ

魚:ししゃも

第四十八候 水始涸(みずはじめてかれる)【16秋分-末候】10月3日~10月7日

第四十八候 水始涸(みずはじめてかれる)【16秋分-末候】10月3日~10月7日

田から水を抜き、稲刈りに取りかかるころ。たわわに実った稲穂の収穫の秋まっただなか。

【旬】

植物:穭(ひつじ)
語源は「乾土(ひつち)」。稲を刈った後の茶色い刈田が、しばらくすると緑に変わってくる。刈株から再び稲が芽を出している。

花:藤袴(ふじばかま)秋の七草のひとつ。ほのかに漂う上品な香り。

花:紫式部
艶やかな紫の実の雅な雰囲気から『源氏物語』の作者、紫式部の名前が付けられたという。

 

魚:とらふぐ

野菜:銀杏

 

第四十七候 蟄虫戸坯(むしかくれてとをふさぐ)【16秋分-次候】9月28日~10月2日

第四十七候 蟄虫戸坯(むしかくれてとをふさぐ)【16秋分-次候】9月28日~10月2日

【旬】
花:金木犀
金木犀の香りは、本格的な秋の到来を感じさせる。

 

鳥:小啄木鳥(こげら)
啄木鳥(きつつき)の中で一番小さいのが小啄木鳥(こげら)。雀ほどの小さな体で、背中は黒と白の縞模様。「ギィーッ」と鳥らしくない声で鳴く。

実:柿
古くから農家では柿を庭に植え、食用にしたり、柿渋を防腐や防水用に塗ったりしてきた。

行事:花馬祭り

家内安全、豊作

10月1日 長野県南木曽町 五宮神社

第四十六候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)【16秋分-初候】9月23日~9月27日

第四十六候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)【16秋分-初候】9月23日~9月27日

夕立に伴う雷が鳴らなくなるころ。春分の末候に「雷乃発声(声を発す)」とあるように、そのころから雷が増え始め、夏の間鳴り響き、秋になり鳴りをひそめる。

 

【旬】

花:彼岸花
秋の彼岸のころに咲く「彼岸花(ひがんばな)」。真っ赤な花は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも呼ばれる。仏教では天界の花とされ、見れば自ずと悪業を離れるといわれる。

 

 

お供え:おはぎ

春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」。それぞれ「牡丹」と「萩」から。

秋に収穫したての小豆をつぶあんにしたのが「おはぎ」、冬をこした小豆をこしあんにしたのが「ぼたもち」とも。

 

花:南蛮煙管(なんばんぎせる)
「思い草」という名でも親しまれてきた。

鳥:鵙(もず)
雀ほどの大きさだが「小さな猛禽」と呼ばれる。

魚:はぜ

野菜:松茸

季節のきざし:うろこ雲、いわし雲、さば雲

 

第四十五候 玄鳥去(つばめさる)【15白露-末候】9月17日~9月22日

第四十五候 玄鳥去(つばめさる)【15白露-末候】9月17日~9月22日

つばめが南に帰るころ。春先に訪れた渡り鳥とは、しばらくお別れ。
巣は子育てをするところで、住む所ではなく、ヒナが巣立ってしまえば集団で河原などをねぐらとして暮らす。

【旬】

行事:中秋の名月
旧暦の八月十五日は、月が最も美しいとされ「中秋の名月」とよばれた。
(現在の9月末から10月の初旬ごろ)。空気が澄んでいる時期で、より美しく見える。

 

野菜:里芋
お月見では収穫に感謝して、この時期に取れる里芋をお供えした。月見団子もこの里芋をかたどったもの。

草:薄(ススキ)
古くは「尾花(おばな)」とも呼ばれた。秋の七草の一つ。「露見草」という異名も持つ。

魚介:昆布

旬の日:9月20日 空の日

 

第四十四候 鶺鴒鳴(せきれいなく)【15白露-次候】9月12日~9月16日

第四十四候 鶺鴒鳴(せきれいなく)【15白露-次候】9月12日~9月16日

黒と白の小鳥で、尾が長いのが特徴。イザナギとイザナミの神が結ばれるきっかけとなったという神話から「恋教え鳥」ともよばれる。

 

【旬】

植物:竹の春
竹にとっては今が春。「竹の春」は旧暦八月の異称になっている。

実:糸瓜(へちま)
元々は「いとうり」と呼ばれた。実は乾かしてタワシに。茎からとれる「糸瓜水(へちますい)」は薬や化粧水として使われた。

魚:秋刀魚(さんま)
一年中出回っているが、旬は秋。

 

 

第四十三候 草露白(くさのつゆしろし)【15白露-初候】9月7日~9月11日

第四十三候 草露白(くさのつゆしろし)【15白露-初候】9月7日~9月11日

草の露が白く光って見える時期。朝の光に輝く露の美しさは宝石にも例えられてきた。「玉露」なども本来、露を美しい玉に見立てた言葉。

 

【旬】
花:萩(はぎ)
秋の七草の筆頭にあげられる萩。散る花も「こぼれ萩」といって愛でられてきた。

 

花:露草(つゆくさ)
青い花は一日でしぼんでしまうが、花びらを散らすことなく次の花の栄養になるのだそう。

 

行事:重陽(ちょうよう)
陰陽説では奇数は「陽」の数字とされた。中でも最大の「九」が重なる九月九日は重要な節句として祝われてきた。不老長寿や無病息災を願って、菊の花を楽しむ「菊の節句」ともいわれる。

 

第四十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)【14処暑-末候】9月2日~9月6日

第四十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)【14処暑-末候】9月2日~9月6日

いよいよ稲が実るころ。「禾(のぎ)」は実った穂を形取った象形文字。

 

【旬】
花:秋桜(コスモス)
コスモスの和名は秋桜(あきざくら)。メキシコ原産で、日本には幕末から明治時代に渡来した。すっかり日本の風景に溶け込んで秋を代表する花となった。

 

虫:蜻蛉(とんぼ)
とんぼは秋の象徴。昔は「秋津(あきつ)」とよばれた。「つ」は「の」の意味で「秋の虫」の略。また日本のことを「秋津洲(あきつしま)」ともいった。

「赤とんぼ」は胴が赤くなるとんぼの総称。気温が下がってくるとオスだけ胴が赤くなる。「深山茜(みやまあかね)」、「夏茜(なつあかね)」、「秋茜(あきあかね)」など。

 

第四十一候 天地始粛(てんちはじめてさむし)【14処暑-次候】8月28日~9月1日

第四十一候 天地始粛(てんちはじめてさむし)【14処暑-次候】8月28日~9月1日

ようやく暑さもおさまるころ。「粛」にはしずまる、弱まるという意味があり「しゅくす」「しじむ」と読む場合もある。

【旬】

花:水引(みずひき)
紅白の小さな花がたくさん咲く。お祝い事や進物用の水引(飾り紐)に似ていることからその名が付いたとか。

 

花:鳳仙花(ほうせんか)
マニキュアのことを江戸時代以前は「爪紅(つまべに)」といい、材料はこの鳳仙花の花を使った。実に触れると勢いよくはじけて種を飛ばす。

第四十候 綿柎開(わたのはなしべひらく)【14処暑-初候】8月23日~8月27日

第四十候 綿柎開(わたのはなしべひらく)【14処暑-初候】8月23日~8月27日

綿の実がはじけて、白いふわふわの綿花が顔をのぞかせる。「柎」は「うてな」とも読み、花の蕚(がく)をさす漢字。綿を包む蕚(がく)が開き始める時期。

【旬】

花:葛(くず)
秋の七草に数えられる葛の花。根からは風邪によく効く「葛根湯」が作られる。

 

花:白粉花(おしろいばな)
黒く丸い種の中から白い粉が出てくる。江戸時代は白粉(おしろい)の代用として使われた。夕方近くに花が咲くので「夕化粧」という異名も持つ。

 

 

第三十九候 蒙霧升降(ふかききりまとう)【13立秋-末候】8月17日~8月22日

第三十九候 蒙霧升降(ふかききりまとう)【13立秋-末候】8月17日~8月22日

深い霧がまとわりつくように立ち込める季節。「蒙霧(もうむ)」は、もうもうと立ち込める霧のこと。

【旬】
花:桔梗(ききょう)

桔梗

 

花:槿(むくげ)

槿(むくげ)

・秋の七草

萩(はぎ) 桔梗(ききょう)葛(くず) 藤袴(ふじばかま) 女郎花(おみなえし)尾花(おばな) 撫子(なでしこ)

ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ オバナ・ナデシコ

 

果実:無花果(いちじく)
花が咲かないと思われていたため「無花果」という名が付いたが、花は実の中に咲くのだそう。

無花果(いちじく)

 

 

第三十八候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)【13立秋-次候】8月12日~8月16日

第三十八候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)【13立秋-次候】8月12日~8月16日

ひぐらしが鳴き始める時期。夕暮れに「カナカナ・・」という声が聞こえると、夏の終わりの哀愁を感じる。

【旬】

花:女郎花(おみなえし)
秋の七草の一つ。黄色の小さな花が咲く。『万葉集』では「おみな」の部分に「姫」などの漢字をあて、美しい女性や優美さなどを表現していた。「女郎」は元々女性を表す言葉だった。

女郎花オミナエシ 秋の七草 

・秋の七草
萩(はぎ)、桔梗(ききょう)、葛(くず)、 藤袴(ふじばかま)、 女郎花(おみなえし)、尾花(おばな)、 撫子(なでしこ)

ハギ・キキョウ、クズ・フジバカマ、オミナエシ、オバナ・ナデシコ

 

虫:つくつくぼうし
つくつくぼうしの鳴き声は、夏の終わりを感じさせる。俳句でも「ひぐらし」と並んで秋の季語となっている。

 

行事:盆
旧暦では7月13日から16日の期間に先祖の霊をまつる行事を行なった。現在では一月ずらして行なわれている。

 

第三十七候 涼風至(すずかぜいたる)【13立秋-初候】8月7日~8月11日

第三十七候 涼風至(すずかぜいたる)

【13立秋-初候】8月7日~8月11日

涼しい風が吹き始める時期。俳句では「涼風」は夏の季語。暑いからこそ涼しさを感じることができる。

涼風至

秋来(き)ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬるー藤原敏行(18

(訳:(暦の上で)秋が来たと目にははっきり見えないけれど、風の音にハッと気づかされました。)

 

【旬】
花:撫子(なでしこ)
秋の七草だが、咲き始めるのは夏。俳句でも夏の季語。平安時代は「常夏(とこなつ)」などとも呼ばれた。英語ではPinkといい、ピンク色の語源となった。

中国から渡来したものを「唐撫子(からなでしこ)」というのに対して、在来種を「大和撫子(やまとなでしこ)」という。

なでしこ

 

花:夾竹桃(きょうちくとう)
細い竹に似た葉っぱに、桃のような花。夏に咲くので「甲子園の花」というイメージもあるそう。

生命力が強く、街の樹木としてもよく選ばれる。(ただし強い毒性があるので口にはしないように注意したい)

災害の後に咲いたことなどから「復興のシンボル」としても知られる。

 

虫:きりぎりす
昔の和歌に登場する「きりぎりす」は、「こおろぎ」を指す。「ギース、チョン」という鳴き声が、機を織るときの音に聞こえたので「機織り」とも呼ばれた。

 

第三十六候 大雨時行(たいうときどきにふる)【12大暑-末候】8月2日~8月6日

第三十六候 大雨時行(たいうときどきにふる)

【12大暑-末候】8月2日~8月6日

大雨が降りやすい時期。

【旬】

季節:花火

 

花:ハイビスカス
南国やハワイのイメージが強いが、原産地はインドや中国。
「仏桑花(ぶっそうげ)」と呼ばれた。島津家が徳川家康に献上したという記録が残る。

 

第三十五候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)【12大暑-次候】7月28日~8月1日

第三十五候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

【12大暑-次候】7月28日~8月1日

土がじっとりとして蒸し暑くなる時期。

最高気温が25度以上を「夏日」、30度以上を「真夏日」、35度以上を「猛暑日」と呼ぶ。最近では(2022~)40度以上を「酷暑日(こくしょび)」と呼ぶことが新たに追加された。

【旬】
花:向日葵(ヒマワリ)
「日輪草(にちりんそう)」という名前も持つ。太陽の光を受けて輝くように咲く。

ひまわり

 

果物:西瓜(スイカ)
夏の果物といえばスイカ。漢名を音読みした「さいか」が「すいか」に変わったそう。

星:旱星(ひでりぼし)
火星やさそり座のアンタレスなど、赤く輝く星のこと。

 

 

第三十四候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)【12大暑-初候】7月23日~7月27日

第三十四候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

【12大暑-初候】7月23日~7月27日

桐の花が初めて咲くころ。ここでいう桐とは、桐とは別の種類の「梧桐(あおきり)」のことだと思われる。樹皮が緑色で、黄色っぽい、小さな花を咲かせる。

【旬】
魚:鰻
『万葉集』にも「夏瘦せにはうなぎが良い」と歌われているように、奈良時代からうなぎの栄養価が高いことは知られていた。

「石麿(いはまろ)に われ物申す 夏痩せに 良しといふ物そ うなぎ取り食(め)せ。(大伴家持)」
(訳:石麻呂(いわまろ)さんに言うよ。夏痩せによく効くという鰻を獲ってお食べなさい。)

江戸時代になって、平賀源内が「土用の丑の日」に鰻を食べる風習を広めたという。夏の土用は7/20~8/5頃。

土用の丑の日

 

魚介:蜆(しじみ)
一年中食べられるが、夏は「土用しじみは腹の薬」と言われ、肝臓にいいとされている。

 

波:土用波(どようなみ)
土用のころに押し寄せてくる大きな波のこと。